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BGMでサービスは良くなるか?

レジャー施設では営業時間中にBGMをかけるところが多い。流れている音楽は様々だが営業していることがわかるという意味ではありがたいことである。さて音楽をかけておくと店舗や施設に良い影響があるのだろうか?ケチ(というか経費に厳しい)な経営者の方で「(有線放送の)契約料がもったいないからBGMなんか要らないのではないか?」という話を聞いたことがある。別に無音でも売上には変化はないというのがその方の説。経費を減らせば利益がその分残るからこれは一理ある。さてこう言われた現場の担当者の回答が面白い。「音がないと寂しい」、「我々のような施設にはBGMは必要」など理論的とは程遠い回答。なかなか経営者を説得できる回答が出せないで困っているという相談を受けとことがある。

果たしてBGMとはレジャー施設の売り上げにどのように貢献しているのだろうか?それは科学的に証明できるものなのだろうか?これを証明する手掛かりになるテレビ番組があった。NHKのサイエンスZEROの中で音楽と医療についての内容だった。アメリカで銃撃にあって言語中枢を傷つけられたことで失語症になってしまった患者に対して、音楽に合わせて発生する訓練をしたところ、数年後に失語症が治りアメリカ議会で演説ができるまでに回復したというのである。脳細胞は一度破壊すると再生しないことはよく知られている。しかし、この患者はどうやって失語症を克服したのだろうか?ここに音楽が深くかかわってくる。言語の発声は人間の左脳が司っている。反対に音楽は右脳。音楽を介して言語を話す訓練を続けることで、音楽を司る右脳で言語を話す機能を生み出したというのだ。音楽に合わせて言語を話すトレーニングを続けることでこの患者は音楽に反応する右脳で言語を話すことができるようになったというのだ。この結果は実に興味深い。

このトレーニングにはいくつか準備段階がある。まずは音楽に合わせて左手を動かしながら右脳を活性化させる。その後言葉のトレーニングを行うそうだ。音楽により言語を司る左脳と音楽を司る右脳がバイパスされて結果として右脳を使って話すことができるようになる。

さらに、音楽に合わせて体を動かすことで心地よいものとして記憶されていく。そう考えると音楽というものがゲストとのコミュニケーションにおいて重要な役割をしていることが考えられる。

ゲストもスタッフもBGMという音楽に合わせてリズムを作ってコミュニケーションを行ったら、音楽がない状態ではあまり耳に入れたくない情報もスムーズに入っていくのではないだろうか?

例えば利用時の注意事項など朗読されるような説明では聞こうとしないが、音楽に合わせてリズムを作って説明されれば前者よりは遥かに頭に残るはず。

仕事のテンポも音楽に合わせて行えば、多少スピードが遅くてもゲストが不満に思うことも少なくなるはずである。

音楽により右脳と左脳が同時に活性化されていくことで相互理解が深まるということであろうか?

こうなると重要になるのは音楽の質ということになる。コミュニケーションに必要な言葉と音楽に歌詞があって言語がかぶってしまったら、この場合は効果が薄くなると思う。つまりコミュニケーションを重視する場合には、音楽は歌詞のない曲の方がより高い効果が得られるのではないだろうか?

その意味ではディズニーランドで流れているBGMはゲストサービスにとても寄与しているということになる。テーマパークでPOPSの有線音楽を流しているところもあるがゲストに対してどちらが心地よいのだろうか?

常に楽しいことばかり言い合うコミュニケーションだけで事足りるならJPOPの有線もありだろう。でも注意事項の説明などときにゲストからすればあまり聞きたくない情報を伝えなければならないところではその伝達力は落ちてしまいそうである。

また、曲によってリズムが全く違う曲が流れているとゲストもスタッフもテンポを取りにくい。これだと音楽に合わせたコミュニケーションは難しそうである。

こうやって取捨選択していくとゲストとスタッフのコミュニケーションを一番円滑に取れる音楽はリズムが一定の歌詞のない曲ということになる。ジャズやオーケストラの曲がこの部類だろう。

以上は自分の仮設である。いつかどこかで実験してみたいと思う。

少なくともテーマパークの中で日本で有数の集客をしている施設はほとんど例外なくテンポがあまり早くないインストルメンタルのBGMを利用している。

人間の右脳と左脳を同時に活性化させるためには音楽は効果的でありBGMを利用することはレジャーサービス業にとって円滑なコミュニケーションのために不可欠なもののようである。