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【091】異業種でもすぐに使えるテーマパークのサービスって何?

サービス業の科学, 管理人のBLOG, 運営業務で見落としがちなこと

20年以上レジャー施設のコンサルタントを続けてくると、「こんなところからなぜ依頼が?」という施設からお話をいただいたりします。
観光名所だったり、個人経営のお店だったり・・・。

共通している悩みは昨今急速に観光客が増えたことで顧客がさばききれないのでどうしたらいいか?ということです。特に海外からの観光客が急増している地域はかなり大きな問題になっているようです。ディズニーリゾート(TDR)やユニバーサルスタジオジャパン(USJ)、一日あたりで5万人以上のお客さんが訪れても何らサービスが落ちるわけではないし、少ない人数でトラブルなく運営できる秘訣はあるんですか?という感じの質問をよく受けます。

確かに今まで一日千人規模だったところに、万人規模が来たら焦りますし、これが続いたら気分もナーバスになってしまうのはよくわかります。

そんな施設に方にずっと付いてコンサルする時間も取れないので、依頼が来たときにお勧めしているのが、たくさんの人が押し寄せているテーマパークを一度視察することです。
とはいえ、「行って見てきてね」だけでは何もわからないままで終わってしまうので、見るべき点を教えています。

自分が大きなテーマパークで見るところは2点あります。

  • スタッフ一人一人が動きを止めずに業務する(Don’t Stop motion)
  • 一歩前に出るサービス対応

この2点です。

「Don’t Stop motion」


TDRもUSJも大きなアトラクションになれば1時間当たりの処理人数は2000人以上のものがたくさんあります。2時間待ちなら待っている人まで含めると4000人、先日で来た新アトラクションで初日は5時間なんて言う場合には1万人ほどが列に並んでいることになります。その列を管理するスタッフは何人?というとまぁせいぜい10人くらいでしょう。単純に計算すると一人で200人から1000人くらいを受け持たないといけません。

これだけ話すといったいどんな魔法があるのか?みたいな目をして話を聞いてくれるのですが、答えはいたって簡単です。

並んでいる列の中を行ったり来たりするだけです。

同じ場所にとどまって流れてくる人を誘導するのは熟練スタッフでもやはり大変です。でも決められた列の中をゲストの流れと反対に進んで、案内や注意事項の説明などを行うことで、一人で多人数のゲストを相手にできるわけです。この動きを列管理を行うスタッフ全員が動きを止めず(Don’t Stop motion)に行うからうまく捌けるわけです。

こうしたゲストを並ばせるところをキューライン(que-line)なんて言ったりしますが、キューラインは想定していたゲスト用の(常設)キューラインと臨時で伸ばしていく(仮設)キューラインはちょっと対応が違ったりします。

テーマパーク施設では常設キューラインは演出などがあったり、モニターで注意事項の紹介などが流れるのでゲストの注意もそちらに向かいます。注意すべきは仮設キューライン、ほっておくと列が崩れたり、ゲストが予想外の動きをしたりします。なので仮設キューのエリアを重点的にスタッフが回遊しながら(Don’t Stop motion)業務する方が効率が良くなります

異業種の施設ではキューラインを作ることまでは自分たちで行えますが、キューラインをスタッフが巡回して管理することを前提に作っていなかったり、管理そのものを考えていなかったりすることでトラブルが起こることが多々あります。

「一歩前に出るサービス」

ずいぶん前からTDRはこれがすごくよくできている、と語る先生がたくさんいます。ゲストが近づいてきたら自分から一歩前に出て対応してください、という話です。

しかし、実際にはゲストになかなか気が付かなかったり、一歩前に出てゲストとあわや接触なんていう違ったトラブルになったりすることもある、という話をする人がいます。

実は、一歩前に出るサービスというのは、その行動に入る前の準備が大事です。ここはあまり教えてくれる人がいません。

大きなテーマパークのトレーニングで大抵最初に行うことが”ゲストに声をかける”練習。実務をするのではなくて、トレーナーと一緒にパークを回って「なんでもいいからゲストに声をかけてください」というような感じ。意外に難しいのです。

このトレーニングには二つの効果があります。一つはもちろんゲストとコミュニケーションがうまく取れるようになること、もう一つが実はもっと大事なことなのですが、

ゲストを探す際に周囲を見回すことで、自分の周辺がどうなっているのかをしっかり確認することができるようになることです。

簡単に言うと視野が広がるということ。まずは周囲を見回して確認することで、一歩前に出る場所を決めたり、その対象になるゲストを決めたりすることができるようになります。自分はむしろ後者の方が重要だと思います。声掛けや一歩前に出るのが上手なスタッフさんは周囲をよく見ています。”パスするコースを予め目視確認しているからいいコースにパスが出せる”のと同じです。

一歩前に出るサービスを実施するために、周囲を確認する癖をつけることが重要なのです。教えるときにこれを重要視する人はあまりいないのですが、周囲が見えなければ、どっちに一歩出るのか決まりませんので至極当然のことなのです。

飲食店や物販店では最近「一歩出るサービス」を重視するところも増えてきているそうですが、一歩出る前に周囲をよく見てベストな一歩が出るようにすることも指導すると一歩前に出ることの不発がなくなります。

自分はテーマパークだけに限らず、いろんなタイプのレジャー施設に行ったときにサービスの度合いをこの二点で見るようにしています。レジャー施設といっていいのか微妙なところですが、お寺や神社でこれがしっかりできているところもあれば、同じテーマパーク施設でもできていないところもあったりします。こんなところを見ていると同じ施設に何度言っても飽きませんね(笑)