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【078】三越本店にビックカメラが入店するというニュースを見て思うこと

サービス業の科学, 管理人のBLOG


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三越の日本橋本店といえば、日本の百貨店の代名詞のような店舗です。創業は1673年、現金売り、掛け値なし、切り売りなど当時の販売方式を一転するような商法を実現し、業界屈指の呉服屋さんになったお店。当初は三井越後屋と名乗っていたものを1928年に「株式会社三越」と改称し、この際に「(何でも揃う)デパートメントストア宣言」を行い、以降日本の百貨店、デパートの草分けとして名高い店舗です。

今まで三越はテナントを店舗内置かないというのが基本方針でしたが、本家の日本橋で初めてのフロア貸しを行うことになりました。そこに入店するのが家電量販店の雄「ビックカメラ」。こちらも量販店としての歴史はあるものの、さすがに三越と比べると歴史という点ではかなり見劣りします。


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日本では古くからあるところに新しいものが来ると大抵新しいものが好意的に見られない傾向があります。いわゆる「老舗ブランド」というものでしょうか?ビックカメラと同格に見てもらいたくないという気持ちがあるのかもしれません。
こうした施設の認知度とか顧客の満足度って百貨店と量販店で大きく違うんでしょうか?という疑問が出てきて調べてみました。

こうした指標を定期的に調べて統計を取っているのが「サービス産業生産性協会」
https://www.service-js.jp/
ここでは「日本版顧客満足度指数」からのランキングを定期的に出しています。
項目としては

  • 顧客期待(利用前の期待・予想)
  • 知覚品質(利用した際の品質評価)
  • 知覚価値(価格への期待感)
  • クチコミ(他者への奨励)
  • ロイヤリティ(継続的な利用意向)

の5つをもって顧客満足度として定義して点数付けをしています。


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三越自体はこの統計に出てきませんが同じホールディング内にある伊勢丹が百貨店では一位で顧客満足度は73.0点。一方ビックカメラは量販店部門で三位の66.4点。確かに開きはあります。
業界の中央値で見ると百貨店は67.9点、量販店は62.7点です。三越(≒伊勢丹)もビックカメラも業界内では高水準の店舗と言えます。しかし、顧客満足度という点で見ると点数の低いビックカメラが高い三越に入ってくるのですから、三越の顧客からすると店舗の価値が落ちると思われても仕方ないところです。


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老舗の三越がなぜビックカメラと手を組むのか?という点ですが、これは百貨店の市場規模を見るとわかることがあります。百貨店の市場規模は1991年の12兆円をピークに下がり続けています。いわゆる“爆買い”ブームが始まった5年ほど前だけで見ても右肩下がりで2018年はピーク時の53%ですから、ほぼ半減したことになります。


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品目別にみてみると、なんと家具と家電は12%で9割減少したことになります。


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一方の家電量販店(経済産業省の統計開始が2014年から)は2014年からの統計で、一度落ち込んだもののここ2年は伸びています。

 

“何でも売っている”ことが売りの百貨店ですが中身を見ると、売れているのは今やアクセサリーなどの高価格商品と食品が中心、家電に関しては壊滅的な状態であることを考えると家電量販店と手を組むことは自明の戦略です。

ビックカメラのような量販店にとっては百貨店で買い物をする所得の高い層という顧客層を手に入れることができる上に、老舗ならでは接客技術なども学べるという意味ではメリットも大きそうです。

家電量販店は今まではショッピングモールのような百貨店に比べると低単価客が多い施設への出店にとどまっていましたが、実は百貨店で売上減衰が最も大きい商品を担当することで高単価客を手にいられるというのも魅力です。

今回の提携で百貨店が減衰の大きい商品を量販店に委託するようになる流れができれば、次に来るのは家電と同様に減衰の大きい「家具」・・・ニトリなどが入ってくるんでしょうか?

三越本店は今後要チェックな施設です