スポンサーリンク

【072】「新人の即日配属」が残すもの

管理人のBLOG, (中国でよくある)ゲストが逃げる危険信号

 


日本のレジャー施設が他の国のレジャー施設と大きく違う点の中で代表的なものに雇用形態が挙げられのではないでしょうか。日本の場合従業員の過半数を占めるのがアルバイトやパート勤務という施設がほとんどだと思います。社員に比べて雇用や福利厚生などの経費が安価で済む場合が多いという理由からですが、最近はこうした非正規従業員の確保が難しかったり、正社員が辞めてしまって結果としてアルバイトやパートの比率が高くなってしまったという逆転現象も起こっているようです。

社員にしろ非正規社員にしろ早く現場で仕事をしてもらってかけた経費を早く回収したいというのが経営側の意向です。どんな仕事でも覚えるまでには時間がかかりますし人によって覚えの早い人遅い人様々なのでなかなか経営側の思うようにはいきません。

経営側の圧力があるのか?現場に出すことだけを優先してほとんど業務ができない人がとりあえず現場にポツンと立っているというシーンは繁忙時期によく見かけます。


ここすご2020


レジャー施設(特に現場業務)では仕事をしながらトレーニングを進めていくOJTと呼ばれる訓練の仕方があります。入社手続きが終わり勤務が始まるとすぐにOJTという名目で現場での業務が始まるのがほとんどです。

しかし、これって本当にトレーニングになっているのでしょうか?施設側の人に話を聞くと「OJTで育てていく」という回答をたいてい貰うのですが、実際はというとトレーニングではなく、すでに“本番”です。本来トレーニングは失敗が許されます。しかし本番はそれが許されません。練習もせずにいきなり(公式)試合です。


ここすご2020


ゲストとすれば料金を払っているのですから新人もベテランも関係ありません。新人だからわからないという言い訳で納得してベテランのスタッフを探して再度質問するような優しいゲストの比率は当り前ですが少ないものです。むしろわからないと回答されて立腹してクレームになってしまうことの方が多いのではないでしょうか?こんな事態になると大抵は怒られるのは新人の従業員です。ゲストから「こんなこともわからないのか?」としかられ、先輩スタッフからは「なんで我々(ベテラン)を呼ばないのか?」と怒られ、挙句に事情を知らない管理部門から評価を下げられる。まさに踏んだり蹴ったりです。

当然そうなると仕事に対するモチベーションは低下し、OJTが終わるまで何とか耐え忍んで独り立ちしたときには立派な意識の低い従業員に育っているという話はよく聞きますし、施設のスタッフの雰囲気を見ているとこんなOJTなんだろうな・・・と思う施設もたくさんあります。

OJTの正しい姿は、本物のゲストに対応しますがその際は指導者が付いて所作についてその都度指導を行うことであり、いきなり本番でしかも指導者がそばにいなかったり、いてもたまにしか指導しないのはOJTとは言いません。

面白いのはこうした若手の従業員が業務への意識が低いから何とかしてくれという業務依頼をしてくる会社の多くが原因を調べてみると若手ではなくて若手を指導する(ベテランの)人達が問題だった、しかもOJTの手法が問題という場合が実に多くあります。


ここすご2020


指導できない原因は何でしょうか?実は人事、指導者、新人の3方向に原因があります。
まずは人事。入社前の面接から入社時の対応までは面倒見てくれます。そして「何かあったら私に相談してください」と声をかけるまではいいですが、トレーニングで現場に配属された瞬間からもう他人です。相談しに行っても「現場の責任者に相談しなさい」とか突き放されて新人は困る。

次に現場の指導者、指導者ですが、自分の業務が優先でその間は「見ていてください」というだけ。そのあと手が空いたところで「今教えたことやって見て」。教えたのではなくて見ていただけのことをやらされる。うまくいかないとやり直し。

最後に新人本人。トレーニングが始まるということは教わることが多くなることはわかっているのに、書き留める筆記具を用意していない。「以前の仕事ではこうだった」と言い訳する。一度うまくいかないと辞める。

これら三つが当てはまる施設は相当危険です。でも一つでも当てはまっているだけでも十分に危険です。こうした施設の特徴は年中人手不足。採用した人数を累計してみると何十人もいるのですが離職者も同等もしくはそれ以上。これは募集採用経費を捨てているようなもので人件費を大きく圧迫します。


ここすご2020


こんな問題がある施設ではアルバイトやパート、新入社員は所属を人事部にしておいた方が良いのではと思います。人事部から各現場に派遣するというスタイルにすると、人事が現場の指導を監視できます。また、人事所属にしておけば様々な業務を覚えさせて多くの仕事ができるスタッフを育てることができます。仕事で悩んだ時も人事という客観的に判断できる人が相談に乗ってくれるのは新人にとってもありがたいのではないでしょうか?現場としても仕事を覚えたスタッフを人事から必要人数を必要時期に貰えれば業務の効率は上がります。

レジャー施設ではもっと人事部という組織を活用すべきだと自分は思います。単なる募集採用センターとして見るのではなくて、育成部署としての付加価値を上げるべきです。


ここすご2020


レジャー施設の多くの人事部門は募集採用と労務管理だけになりがちです。本来最も重要な育成が現場任せになってその良し悪しをチェックする機能が弱まっていることから経営を強烈に圧迫することもあります。

新人は人事所属ですぐに現場に出して片手間の指導をせず、人事主導で必要期間育成する。人手が足らないと言っている施設でも、現在よりも離職率が20%減ればそれほど大騒ぎすることもなくなるのではないでしょうか?人手が足らない理由を作っている張本人が「人手が足らない」といい続けている施設が世の中なんと多いことか・・・。