【054】TDRが頻繁に新商品を投入する理由はこれだ!?

これまでは決算書とFACTBOOKの数値を基に解析してきましたが、今回はその過程で気が付いたことの考察です。よってこれを実証する術はありません。
あくまでも自分が思うTDRの戦略と戦術を記載しています。TDRに対して敵意も悪意もありませんのでご理解の上“この不思議な世界”をお楽しみください。



なぜTDRは商品やメニューが頻繁に変わるのか?

今回決算書とFACTBOOKで検証を続けてきて気が付くことがあります。

従来の利益率を維持するためには急激に売上を増加させる場合があるということです。つまり商品の値上げが不可欠ということです。しかし、顧客満足度を重要視する施設では販売商品を表立って大幅に値上げしますとは言いにくいはず。どうすれば実現できるのでしょうか?

一つ手掛かりになる情報があります。
TDRで販売されている商品は年単位で半数程度が入れ替わるそうです。まったく新しいものが出たり、今まで商品が改良されたりします。

入れ替えの理由については「販売しているものが一通り行き渡るから」と考える人もいます。確かに一理あります。しかし、ここにはしたたかなTDRの経営戦略が隠れているのではないでしょうか?

つまり、

新商品を頻繁に出すというのは同系列の商品の値上げをしたいからではないか?

ということです。既存品を突然値上げしたらゲストから文句が出ますが、原価を抑えられる程度の改良を加えて新商品にすることで文句を打ち消しているのではないか?ということです。



期間催事は商品の値上げのためにする!?



値上げにはタイミングが必要です。最高のタイミングになるのが期間催事とも考えられます。もしかしてTDRで期間催事は全て物販や飲食の商品を値上げするために行っているとも考えられないでしょうか?

催事のために商品を値上げするのであれば催事の効果測定は、催事開始時に値上げされた商品の利益の増加分で計測できることになります。反対にいうと

催事を行っても販売する商品で利益が出るように新商品を投入したり既存品を値上げしておかなければ催事の効果はない

ということになります。

このように考えると、他の施設から見ると規模も内容も豪華すぎるように見えるショーなどの催事は元々強力な売上力を誇る物販や飲食の値上げにより強化するために実施されているとも考えられます。



催事と結び付けられない商品の価格はどうなっているか?

催事ごとに全ての商品が入れ替わっている訳ではなく、ずっと販売されている定番品もあります。特に飲食メニューは物販に比べると極端な変更が難しそうです。

では飲食商品の価格は現状維持が続いているのか?というとそうではないようです。

TDSにあるカレー店「カスバフードコート」を見てみます。

2014年に利用したときには「3種類のカリー」で1020円でしたが、

2019年は「コンビカリータンドリーチキン添え」で1300円。

ビーフカレーが2014年は960円だったのに2019年は1100円になっています。



ここでFACTBOOKにある原価率の推移をグラフにします。この原価率(特に飲食)はホテルの原価も含んでいるので、パークだけの原価率よりは多少高めになると思われます。

2020年は入場者数の制限があったことで原価率も高くなっていますが、それ以前は概ね45%前後で推移しています。



この原価率を先ほどの商品の価格に合わせてみると、利益が以下のグラフの通りになります。

「コンビカリータンドリーチキン添え」で722円(2014年の類似商品より111円増)、

「ビーフカレー」は611円(2014年に比べて63円増)と利益幅が増えています。



名称を変更し提供する食材を微妙に変えただけで利益を増やす。このタイミングで既存のメニューも価格を変える。他のテーマパークや遊園地では実現しにくいしたたかな戦術です。



豪華に見えるメニューで値上げをカモフラージュする!?

TDRの飲食メニューを見せると中小規模の遊園地の飲食担当者は「こんなに凝ったメニューを作る手間をかけられません」という嘆きを聞きます。
でも、よく見ると以前より簡素になっているものもあります。

ユカタンベースグリルキャンプという施設の飲食メニューです。2002年(開業して2年目)のメニューは金属トレイに入っていて店舗のコンセプト(探検基地の食堂)を再現しているようにも見えます。一方で2020年になると紙皿のワンプレートになりました。中にはこうした簡素化された商品もあります。



前述の例は例外で、大半のTDRの飲食メニューは街中の廉価な飲食店のメニューに比べると凝った内容です。こうする理由を「せっかくTDRにいるのだから雰囲気に合ったものを・・・」と説明する人は多々います。でもそれだけでしょうか?

もし街中の商品を同じなら商品の値上げは街中の同類商品と比較しながら実施しなければならなくなり、タイミングも難しくなります。

一方で、TDR独特のメニューであれば、多少食材を変えたというTDR都合で簡単に値上げができるようになるのです。加えて「凝っている」とゲストに思ってもらうことで割高感を解消できます。街中とは一線を画した凝ったメニューだからこそ、TDRのタイミングでメニュー改定や値上げが可能になると考えられるのです。

街中の飲食店舗のようなメニューを提供して値上げできなくて苦しむのと、多く手間をかけても必要な利益分だけ値上げが簡単にできるのとどちらを選択するか?ということです。前者は大抵営業でも苦しんでいます。



これは何も飲食に限ったことではありません。物販に関しても同様のことが言えます。

街中では売っていないような凝ったデザイン、多機能性などは模造品の防止機能の他にも、TDRの意向で容易に値上げができる商品にするためでもありそうです。

唯一性、独創性があるからこそ、値上げしても商品が嫌われないということでしょうかね?ともしたたかな戦略です。



顧客満足度と利益の両方の増加が求められる厳しい業種?

「昨年よりも催事は内容をアップしました。」「今までの商品にこんな新しい機能を付けました。」「催事に合わせて期間限定の飲食メニューが登場します。」などTDRの告知を見ると常に顧客満足度を上げるために行っているように見えます。

でも実際には顧客満足度を上げつつ、利益も上げていかないと経営は成り立たない。そのためにタイミングを見計らって値上げをしているというのが実情のように見えます。

このくらいのしたたかな戦略と戦術を駆使しないと年間営業利益20%以上を確保するのは難しいというくらい厳しい業種ということもいえるかもしれません。

 

 

 

 

 


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