【052】顧客満足度はどうやって計測する?

顧客満足度とは何か?



遊園地やテーマパークで働いていると何度も聞かされる言葉であるが、顧客満足度を正確に理解している人は意外に少ない。

私が以前勤務していた施設でも顧客満足度を上げるためにどうするか?など議論をするが、議論している当人たちが顧客満足度の定義をそれぞれ持っているので話がかみ合わないなんてこともよくあった。

経済学者のピータードラッガー(Peter Ferdinand
Drucker)は「顧客は満足を買って帰る」という言葉を残している。また、「顧客は製品の先にある価値を買う」とも言っています。

製品(商品)が持っている物理的な機能ではなく、その機能が利用する顧客にとって価値のあるものなのか?という基準で満足するということになります。



これを遊園地やテーマパークに置き換えるとどうなるだろうか?

物理的な機能としては「時速100キロで走るコースター」「牛肉とレタスが入っているハンバーガー」ということになる。

顧客側の価値は上記の二つの場合「今まで味わったことのない恐怖と爽快感」「写真映えも素晴らしくて、お腹も満たしてくれる極上の食べ物」ということでしょうか?

大事なことは顧客満足度はあくまでも顧客の施設への評価であるということです。

「時速100キロで走るコースター」を苦労して作っても「今まで味わったことのない恐怖と爽快感」を顧客が感じてくれなかったら、顧客満足度はないということになります。



顧客満足度を数式にしてみると以下の通りです。

顧客満足度=“顧客が感じる”製品(商品)の魅力-顧客が購入(体験)前に抱いていた期待

この式から顧客満足度を導き出そうとするならば、

  • 利用前の顧客の期待
  • 利用後に顧客が感じた魅力

この二つを計測しなければならないことになります。



顧客、期待、魅力を計測する顧客満足度の調査方法

テーマパークや遊園地を訪れる顧客は多岐にわたります。

男女、家族と非家族、年齢層、初めて来る人と何度も来ている人・・・。このすべてを満たそうとすると大きな投資が必要になります。

限られた投資を有効に活用するためにはまずはこの顧客の中で最も多い比率を占めている層を探り出す必要があります。

これを調べるには顧客に直接聞くしかありません。つまりアンケート調査の実施です。



大抵の施設は家族、年齢30~40代が最も多いというのは共通だと思います。

この先で顧客満足度を調べることを考えると施設に愛着があり何度も来る人の顧客満足度を把握することが重要です。

さらに入場料を支払ってでも体験する価値に魅力を感じていることが重要なので「招待券」など無料施策で来場した人は外しておくことが大事です。

こうして顧客の属性を絞り込んだうえで、「何に期待してきたのか(=動機)」、「実際に魅力を感じたものは何か(=体験した魅力)」を調べることが必要です。

動機と魅力は同じ設問を用意する必要があります。期待していたものと実際に魅力を感じたものの差を把握するためです。

項目ごとに以下のような表で分類します。


項目

魅力

高い

低い

動機

高い

顧客満足度が高い

期待外れ

低い

新しい魅力(の創出)

顧客離れ


  • 顧客満足度が高い:今後も維持すべき項目
  • 期待外れ:最短で改善する項目
  •  新しい魅力:次回に向けて強化する対策を検討する項目
  •  顧客離れ:上の3つの対策をした後に新しい魅力になるように検討する項目

顧客満足度は動機(=魅力)の数だけ方向性があるので、どれが良くてどれが悪いかをしっかり見極めることが重要です。



何度も来る人が感じる魅力こそ、この施設の顧客満足度の高いところ

これまでの顧客満足度の算定を利用回数が少ない層(ビギナー層)と利用回数の多い層(リピーター層)で分けて集計してみます。

ビギナー層とリピーター層をどこで分けるか?難しいところですが開業して10年未満の施設であれば「3回」が分かれ目になるところが多いようです。これは飲食店の常連になる回数と合致するのですが、2回目まではビギナーになる場合が多いようです。ちなみに30年以上営業しているTDRでは10回までをビギナー層に設定しています。



リピーター層が魅力だと感じている(=顧客満足度の高いもの)がこの施設の魅力です。リピーター層が年間で今までよりも1回多く来てくれるだけで入場者数は20%以上増加します。ビギナー層を20%増加させることに比べると投資効率が良いのでリピーター層にとって顧客満足度の高い施設を運営することは安定した集客につながります。

まずはリピーター層、次にビギナー層というのが効率よい投資方法です。



繁閑差を考慮してアンケートの傾向を知るための“加重比率”

ここまでの話で顧客満足度の計測方法はある程度理解できると思いますが、テーマパークや遊園地では繁閑差が大きいのが普通です。繁忙時の20%と閑散時の50%を簡単に対比することはできません。

そこで必要になるのが「加重比率」という考え方です。加重比率は以下のように求められます。

加重比率=入場者数÷アンケート回答数

つまり、アンケートの回答数を入場者数で計算し直して対比するものです。



これは年単位での対比など入場者数が多いときなどに重宝します。150万人来たときと200万人来た時で顧客満足度にどのような変化があるか?などを求めたいときは加重比率を利用します。

加重比率は対比する期間で数値が一定になるようにアンケートの集計数を調整する必要があります。加重比率が繁忙時と閑散時で2桁以上変わるようでは信頼度があるとは言えません。

 



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