【082】「子供にとってはトイレも危険がいっぱい」の10年後
2016年にTDRの洋式便器はウォッシュレット付きのトイレに変更されました。一部ではなくて外部トイレ含めて一斉に交換されたのには驚きました。
この話を書いたときにも感じたのですが、これはTDRの「すべてのゲストはVIP」、つまりどんなゲストでも差別しないで平等にVIPとして対応するという理念の一つから出た行動ではないでしょうか?一部だけ実施してその他は従来通りでは“すべてのゲスト”に向けた措置とは思えません。
ウォッシュレットタイプへの交換については、駅や公衆便所など公共施設でも導入が進み、TDR内のホテルや周辺のオフィシャルホテルも導入されている中で、パーク内だけが従来のトイレというのも、“VIP”を迎えるにしては低スペックすぎるという発想もあったのでなないでしょうか?
2010年以降、海外からの観光客も増加し、TDRもこうした海外観光客の比率が上がっています。海外から来る観光客が日本を評価するポイントの中で「トイレが便利できれい」があり、こうした流れも後押ししたものだと思います。
ウォッシュレットを導入することはレジャー施設にとってはメリット、デメリット両方あります。メリットとしてはトイレットペーパーの消費量が減ること。洗浄する水とコストを比較すればこれは大きな節約になります。加えて環境にも優しいということになります。デメリットはなんといってもメンテナンス。従来のトイレ清掃に加えて動作の確認(故障させない)を行うことは担当スタッフにとっては大きな負担です。
2020年1月現在で、ライバルのUSJも全施設ウォッシュレット装備とまでは行きついておりません。他の施設ではウォッシュレット完全装備の施設も多々ありますが、トイレの数はTDLと比べれば差がありますので、単純には比較しにくいところです。
著作本文中で述べた通りトイレの快適さは、その後の滞留時間にも影響し、最終的に売上に貢献していきますので、こうした投資は無駄にならないという判断なのでしょう。