【087】東京ディズニーランドの平均滞留時間8.9時間の中身を推計してみた!?
東京ディズニーリゾート(TDR)を運営している会社である株式会社オリエンタルランド(OLC)が株主対象に発行している「アニューアルレポート(Annual Report=AR)」というものがあります。毎年1回発行されていて8月くらいに最新決算時期の最新版情報が出てきます。これから株を買おうかな?という人に対してOLCの株を買うといいことがありますよ。という内容になっていますが、この冊子いろいろなデータが付いていて大変勉強になる冊子です。
http://www.olc.co.jp/ja/ir/library/annual.html
この冊子を見ると、TDRのテーマパーク部門ディズニーランドとディズニーシーの合算値ですが、入場者数、売上、客単価などが年ごとにどんな推移になっているかがわかります。
この中で今回注目してみたいのが滞留時間。最新のARでは「8.9時間」と記載されています。
ちなみに客単価は11,815円。うちチケット収入が5,342円と記載されているので、園内消費は6,473円。
8.9時間で割ると1時間当たり727円全てのゲストが消費しているという計算になります。
家族4人で行けば2,909円(≒3千円)。自分も一人で行っても1時間に1回は千円札がなくなっていきますので、なんとなく理解できます。
滞留時間ですが、他の遊園地・テーマパークでここまで長い施設はまずありません。100万人以下の規模の施設だと、一番長いときで4時間程度、夏場でプールがある施設なんかは5時間程度というのが調べてみた結果です。
4時間程度の滞留の場合、開園して1~2時間後に入場のピーク、17時前後に退場にピークが来るような感じになります。
これは一年で最も混雑するような時期ですから、閑散期ともなれば2時間から3時間の間で推移します。年間での平均となるとせいぜい3時間強くらいというところでしょうか?
1時間当たりのゲストの消費金額をTDRと同レベルで考えても3時間では727円×3時間=2,181円。
TDRの園内消費の3分の1程度です。実際には消費金額はもっと少ないのですが、これはまたいつか解析します。
TDRの営業は8時か9時から22時までですから、営業時間は13時間か14時間。さらにスターライトチケットとか、アフター6チケットなど夕方から入れるチケットを利用するゲストもいる。どんなに長くいても4、5時間のゲストがいて、滞留時間8.9時間ということは朝から入れるチケットを利用するゲストがいかに長く利用しているかということの裏付けといえるでしょう。
ここから先はTDRの生データを見たわけではないので、他施設の動向や通説などから推測します。また、東京ディズニーリゾートではオフィシャルホテルの利用者は営業開始前に入れますが、この検証では簡単にするため考慮してませんでした。
まずは17時以降のチケットで入るゲストですが、これは全体の2割程度と設定します。3割になると平均滞留時間8.9時間は達成が困難になります。
次に、朝から入れるチケットの利用者ですが、12時までに95%が入場すると仮定しないとこれまた、8.9時間の達成は困難になります。
さらに
開園1時間で一日の3割以上が入らないとこれまた、8.9時間の達成は困難になります。
続いて、
退場する時間ですが、朝一で入った人は10時間以上滞留してもらわないと8.9時間の達成は困難になります。
後、
17時以降のチケットで入った人は4割は最後まで残ってもらわないと8.9時間の達成は困難になります。
などなど、8.9時間という滞留時間を達成するために、他の施設のデータにいろんな修正を加えて、さらに一日の入場者数を10万人と設定すると、こんな滞留曲線になりました。
開園時間(8時)の瞬間はまだ誰も入っていないので0ですが、1時間で3万人、11時には7万人、以降19時時ごろまで7万人以上のゲストが園内にいるという感じになります。
また、
入場者の15%くらいは開園から閉園までいるという推計結果になりました。
なので、閉園後に退園する人が2.5万人くらい。開園時の1時間での入場が3万人だったので、それよりちょっと少ないくらいの人が閉園と同時に一気に退園するという結果になりました。
ここまではあくまでも推計です。でも今まで自分が体験した開園前の列の長さや入場制限の開始時間、閉園後の出口付近の雑踏を見るとなんとなく理解できるような結果になりました。
他の遊園地・テーマパークと比べると全く違う滞留曲線になりました。すごい施設です。